母からの電話

母からの電話

ある日母から電話があった。「お父さんがね、売りに出た隣の土地を買って、兄夫婦と二世帯住宅に建て替えるって言うの、どう思う?」

あまりに突然だったので、「誰がローン組むの?」と変な返事になってしまったのだか、とっさに頭の中では、お父さんはもう65歳だしローンは組めない、兄は年収400万だし、どう考えても土地を買って大きな二世帯住宅を建てるのは不可能なのではないかと考えた。

返ってきた返事は「半分は現金で出して残りはお兄ちゃんがローン組むって、二人で盛り上がっちゃって」

脱毛のコツ

特に反対する理由もないが、母は前から子供たち夫婦との同居は考えられない、息苦しくて辛いと言っていたので、遠回しにやめさせて欲しいのだと気が付いた。

「そうねぇ、いくらで売りに出てるの?」と聞くと「2000万よ」
その時点で反対する理由が出来た。と言うのも相場からかけ離れ過ぎている。

実家は田舎で駅から徒歩20分、坪30万程で40坪、お隣もほぼ同じ条件とすると、1200万がいいところだ。

しかも、値のつかない古さの上物もある。取り壊し費用など考えると2000万なんて到底すすめられる買い物ではない。

早速その事を父に話すとそれまでの経緯を話始めた。

「お隣さんは娘夫婦の住んでいる近くにマンションを買って引っ越したいらしい。その為にはこの金額は譲れない、隣の土地なんて滅多に売りに出ない、買いたいときがチャンスだ、兄も乗り気だ」と楽しげに話す父には少し可哀想な気がした。

しかし「そんなにこちらはこの土地がどうしても欲しいんですアピールしたら思う壺だよ、何も隣に二世帯じゃなくてももっと便利な立地で相場に似合う、むしろお買い得な物件を探してからでも遅くないんじゃない?兄は一回住宅ローン組んだら簡単にはやっぱりやめてこっちにしますとはいかないよ、ゆっくり探しても多分お隣売れないよ」

そして、冷静になって下さいと兄にも連絡をした。

後日、「二世帯住宅は無くなりました」と連絡が来た。ほっとした様子の母。

因みにお隣は結局数年売れずにマンションへの引っ越しを諦め、いまだに住み続けているそうだ。